■酵素補充療法(Enzyme Replacement Therapy:ERT)
- ファブリー病は酵素の欠損によっておこる疾患ですから、この酵素α-ガラクトシダーゼを体内に注入することでそれを補おうという、「酵素補充療法」が研究・開発されました。遺伝子組換え技術により、治療に必要とされるヒトα-ガラクトシダーゼを合成、製剤化することに成功し、ジェンザイム・ジャパン株式会社のファブラザイムは2004年1月に承認され、販売・実用化されています。また住友製薬のリプラガルについては研究開発中で、治験も進んでいるようです。
■ジェンザイム・ジャパン株式会社
- ジェンザイム社はマサチューセッツ州ケンブリッジに本社を置く、バイオテクノロジー、ヘルスケア製品のメーカーで、特に稀少疾病薬部門の画期的な製品で注目されています。ファブリー病と同じリピドーシスであるゴーシェ病の治療薬「セレザイム」のメーカーであり、ファブリー病の「酵素補充療法」に使用される製剤「α-ガラクトシダーゼ」を、遺伝子組換え技術による合成、製剤化に成功し、製造・販売する予定です。他にもムコ多糖症I型、ポンペ病、ニーマンピック病の治療薬などを臨床試験中です。
当サイトが非常にお世話になっている会社でもあります。
ジェンザイム・ジャパンのサイトは以下のところにあります。
- [ジェンザイム・ジャパン株式会社]
http://www.genzyme.co.jp/
■住友製薬株式会社
- 住友製薬は米国トランスカリヨティック・セラピーズ社(Transkaryotic
Therapies Inc. 以下TKT社)と、α-ガラクトシダーゼ
A(以下α-GAL
A)の開発・販売契約を締結しました。住友製薬は、TKT社とα-GAL
Aを開発することで合意し、日本、韓国、中国及び台湾における独占的な製造・販売に関する権利を得ました。
TKT社は、1988年に設立された遺伝子治療のベンチャー企業の一つで、遺伝子活性化技術を蛋白生産に応用し慢性疾患の酵素補充療法及び遺伝子治療に関する研究開発を行っています。
α-GAL
Aは、現在TKT社が米国で臨床試験を実施しており、日本では今後、住友製薬がファブリー病の治療薬として開発を進めていく計画です。
住友製薬は、これまでにもインターフェロンやヒト成長ホルモン等、蛋白質製剤を医薬品として開発、上市しており、α-GAL
Aの開発を進めることで、現在有効な治療薬のないファブリー病の患者さんの治療に貢献できるものと期待しています。
(プレスリリース:1999(平成11)年1月14日より)
- [住友製薬株式会社]
http://www.sumitomopharm.com/
■ジェンザイム社の藤原さん
- ジェンザイム社の藤原さんからロイコジストロフィー・ネットワークの高橋さんへ寄せられた情報によると、
「トランスカリヨティック・セラピーズ社(通称TKT)の酵素は彼ら独自のGene
activation
technologyというバイオ技術で製造された酵素です。これは目的蛋白を発現するのに、そのDNAを必要としない、どちらかというと純粋な細胞培養法に近い技術です。ジェンザイムの方法は、ゴーシェ病治療薬セレザイムと同様に蛋白発現DNAをCHO細胞に組み込んだ遺伝子組み換え製品です。
弊社とTKTの競合ということになりますが、いままでは大手企業が見向きもしなかったこのような小さい市場に
日の目があたってきたことはいいことだと思っています。」
ということです。
■東京都臨床医学総合研究所
- また、東京都臨床医学総合研究所が、ガラクトシダーゼの酵素活性を向上させる「デオキシガラクトノジリマイシン」という薬を開発しています。
特殊酵母によるヒト遺伝病(ライソゾーム病)治療薬開発のための基礎技術確立
- 臨床遺伝学研究部門の櫻庭均部長の研究グループは、産業技術総合研究所の地神芳文部門長およびキリンビール基盤技術研究所との共同研究により、ライソゾーム病のひとつであるファブリー病で欠損するa-ガラクトシダーゼを酵母を用いて生産する技術を開発した(毎日新聞、日本経済新聞:1998(平成10)年7月7日掲載)。
酵母特有の糖鎖合成経路を欠損させた上で、マンノース6リン酸を糖鎖末端に多く含むような組換体a-ガラクトシダーゼをデザインすることで、患者細胞内への効率的取り込みを可能とさせた。他のライソゾーム病への応用も期待されている。
詳細は臨床研ニュース 第261号1998(平成10)年8月号を参照ください。
- 財団法人 東京都臨床医学総合研究所
http://www.rinshoken.or.jp/
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■ロイコジストロフィー・ネットワークの高橋さん
- 「この分野に注目が集まり、多くの企業が参入し、医療の現場で実績を積んで効果が確認されるということは、まだ治療薬が開発されていない疾患に今後新薬がみつかった場合、それが実際に患者のもとに届くまでの時間を、少しでも早くすることにつながるのではないかと期待します。
患者側としては同じような薬であっても複数の選択肢ができることは歓迎ですが、このような小さな市場で競合製品が出てくると、遺伝子工学など莫大な研究費を投入した新薬開発を行っている製薬会社の方はたいへんですね。」
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(以上、「酵素補充療法」からここまでは、ロイコジストロフィー・ネットワークの高橋さんのホームページに掲載された情報を基に、再構成いたしました。)
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