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【治療法について】

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■対症療法

 古典ファブリー病の中で一番辛いこと、といえばやはり痛みでしょう。説明書などには四肢の疼痛、とあるあれですね。心ファブリー病の方には、この痛みは無いということですが、私(佐藤)がファブリー病と診断されてからの30年間は、「酵素補充療法」の話がでてくるまでは特に治療法が無く、鎮痛剤に頼る生活を続けて来ました。逆にいえば、ファブリー病と判明する以前の12年間は、鎮痛剤なしで生活して来た訳ですが、今ではもう、鎮痛剤の無い生活は考えることができないくらいです。私より年長の方で、30代になるまで病名が分からなかったファブリー病患者さんがいらっしゃいます。あの痛みに鎮痛剤なしで30歳まで生きてこられたこと、それだけで私は尊敬してしまいます。

 患者の方には言わずもがなですが、あの痛みは例えていえば、夏場の海水浴場の焼けた砂浜に、海から上がってきた時の足の裏のチリチリとする焼けるような感じ。手足の先で、あの焼けるような感じを強くしたような、もっと激しい灼熱感が、何時間も延々と続きます。激しい運動をした後や、酷暑の夏、そして発熱した時にあれが現れるのです。しかも、普段から平熱が37度くらいなのに、酷暑の夏の日射しの中でも、体はほとんど汗をかかない発汗障害があるため体温の調節ができず、体の冷却ができないため体温は38度以上に上昇し、脈拍は120を越え、よけいに痛みが激しくなります。夏だけではなく、厳寒の冬と、季節の変わり目、そして梅雨の時期や秋の長雨の頃にも現れます。温度、湿度、気圧の変化など、体調を悪化させるあらゆる要因によっても、痛みは現れるのです。調子がいいのは1年の内で、僅かに春先から5月にかけての爽やかな季節と秋風の吹きはじめから枯れ葉が舞う頃だけです。夏の暑い日や体調の悪い日、発熱時、特に痛みが激しい時は、夏はもちろん、水道管が凍りかける冬にも、冷水を浴びるのが慣例になっています。現在は鎮痛剤と解熱剤の服用、そして冷水浴でほとんどの場合、痛みは治まりますが、鎮痛剤がなかった頃は、本当に大変でした。

 

 ◆テグレトール(Tegretol) 200mg錠/100mg錠/細粒

 さてその鎮痛剤ですが、一般名(薬品名)はカルバマゼピン(CBZ)で、日本チバガイギー社製造、ノバルティス ファーマ社販売の商品名が、テグレトールです。ファブリー病に関しては、日本国内ではほとんど唯一の鎮痛剤と言えるでしょう。
【効能】
1.精神運動発作、てんかん性格及びてんかんに伴う精神障害、てんかんの痙攣発作の場合
2.躁病、躁欝病の躁状態、精神分裂病の興奮状態の場合
3.三叉神経痛の場合
【用法用量】
 大人の場合、最初1日量200〜400mgを1〜2回に分けて口から飲ませ、ある程度の効果が得られるまで(通常1日600mg)徐々に増量します。症状により1日1,200mgまで増量することができます。
小児に対しては、年齢、症状に応じて、1日100〜600mgを分けて口から飲ませる。
【副作用】
 主な症状としては眠気、眩暈、ふらつき、倦怠・易疲労感、運動失調、脱力感、発疹、頭痛・頭重、立ちくらみ、口渇など。
その他ごく稀に、重大な副作用が現れることがあるので、このような場合には投与を中止し、適切な処置を行う。
 他には、服用中は眠くなるので、自動車の運転や機械の操作はなるべく避けましょう、とか、相互に作用が増強される恐れがあるので、アルコールをたくさん飲んではいけません、とか書いてあります。
 
 こういうふうに医薬品関係のサイト「医者からもらった薬がわかる」には書いてありますが、ファブリー病についてはひとことも触れられていませんでした。まあファブリー病自体が無名な病気だから仕方ないのかもしれませんが。

 で、この抗痙攣薬で、てんかんや躁病に効く薬が、なぜファブリー病の痛みに効くのかについては、「第4回日本リピドーシス研究会のFabry病の現況とQ&A公開討論」での、Dr.R.J.Desnickの発言があります。

「どうして効くのかを完全に説明することはできないが、かなり以前から経験的に、カルバマゼピン系の薬、つまりテグレトールなどを定期的に服用することが痛みの予防になることがわかっている。」

 私の場合、12歳の頃は200mg1錠で1週間ほど効いていました。それがだんだん効きにくくなり、17歳の頃には100mg/1日になり、成人してから昨年までは200〜300mg/1日でした。人工透析が始まった現在は300〜400mg/1日になってしまいました。透析と関係があるのかどうかは分かりませんが、体が慣れてしまったせいか、次第に効果が減退してきているのは確かなようです。

 現在私は、毎朝起床時に200mg服用していますが、以前は飲み忘れても痛みが出ない時もありましたが、最近は飲み忘れたりすると、必ず後悔することになります。そして、疼痛時に(ほとんど毎日!)追加で100mg、それで効果がなければ、さらに追加で100mg服用します。普通の疼痛時で(変な言い方ですが)服用してからおよそ30分〜1時間で、効き目が現れてきます。それでも効かないという時は、たいてい高熱時で、解熱剤との複用と冷水を浴びせることでほとんど治まります。

 副作用については、やはり神経を麻痺させているのでしょうか、頭がぼんやりして眠くなり、めまいやふらつきが出ることがあります。そこで私の場合は逆に、眠れない夜などに疼痛がなくてもテグレトールを服用することがあります。飲み慣れない精神安定剤などを無理して飲んだりするよりも、よほど効果があります。お医者さんに言ったら怒られるかもしれませんが…。

 薬剤師さんから伺った話では、テグレトールはグレープフルーツ(葡萄ではなくてオレンジの仲間の方です)と相性がよくないようです。あまり知られていないようですので、テグレトールを服用している方は注意してください。

 もうずいぶん前の事ですが、旅先で薬を落としてしまい、地元の病院に駆け込んだところ、(もちろん、いつも持ち歩いている診断書は見せ、電話のやり取りはあったようですが)わりと簡単に処方してもらうことができました。それまでは、もっと特殊な薬かと思っていましたが、それほど一般的でない薬品というわけではなさそうです。


 ◆テグレトールの副作用について

テグレトールが体に合わないことから、重大な副作用が発生し、古典型ファブリー病(つまり手足の疼痛の症状がある)なのにテグレトールを飲むことができないと云う、まさに壮絶な闘いをされている患者さんがいらっしゃいます。
 
1.重大な副作用:
次のような副作用が現れることがある。このような場合には投与を中止し、適切な処置を行う。
1).再生不良性貧血、汎血球減少、無顆粒球症、溶血性貧血、赤芽球癆、血小板減少(頻度不明)。
2).皮膚粘膜眼症候群(Stevens−Johnson症候群)、中毒性表皮壊死症(Lyell症候群)、SLE様症状、紅皮症(剥脱性皮膚炎)(頻度不明)。
3).リンパ節腫脹を伴う過敏反応(0.1〜5%未満):症状・検査所見として発熱、発疹、関節痛、白血球減少、好酸球増多、異型リンパ球出現、肝脾腫、肝機能検査値異常等。
4).重篤な肝障害(胆汁欝滞性肝障害、肝細胞性肝障害、又は混合型肝障害、肉芽腫性肝障害)(頻度不明)。
5).急性腎不全(間質性腎炎等)(頻度不明)。
6).PIE症候群:症状・検査所見として発熱、咳嗽、喀痰、好酸球増多を伴う肺浸潤、間質性肺炎(頻度不明)。
7).血栓塞栓症(頻度不明)。
8).アナフィラキシー反応(頻度不明)。
9).欝血性心不全(頻度不明)。
10).抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)(頻度不明):症状・検査所見として低ナトリウム血症、低浸透圧血症、尿中ナトリウム排泄量増加、高張尿、痙攣、意識障害等[投与を中止し、水分摂取の制限等適切な処置を行う]。
11).無菌性髄膜炎(頻度不明):症状として項部硬直、発熱、頭痛、悪心・嘔吐あるいは意識混濁等。
12).悪性症候群(頻度不明):本剤の投与により発熱、意識障害、無動緘黙、強度の筋強剛、嚥下困難、頻脈、血圧変動、発汗等が現れることがあるので、このような場合には、投与を中止し、体冷却、水分補給等の全身管理と共に適切な処置を行う(本剤の急な中止により発現することもあるので、本剤の急な投与中止は行わない)また、悪性症候群は抗精神病薬との併用時に発現しやすいので特に注意する(なお、本症発症時には白血球増加や血清CK上昇(血清CPK上昇)がみられることが多く、また、ミオグロビン尿を伴う腎機能低下をみることがある)。
 
2.その他の副作用
1).過敏症:(5%以上又は頻度不明)血管炎、(0.1〜5%未満)猩紅熱様発疹・麻疹様発疹・中毒疹様発疹、(0.1%未満)光線過敏症[症状が現れた場合には、投与を中止する]。
2).皮膚:(5%以上又は頻度不明)皮膚色素沈着、ざ瘡。
3).血液:(5%以上又は頻度不明)ポルフィリン症、巨赤芽球性貧血、白血球増多、(0.1〜5%未満)白血球減少[症状が現れた場合には、投与を中止する]。
4).肝臓:(5%以上又は頻度不明)黄疸、ALT上昇(GPT上昇)、Al−P上昇、γ−GTP上昇、(0.1〜5%未満)AST上昇(GOT上昇)[症状が現れた場合には、投与を中止する]。
5).腎臓:(5%以上又は頻度不明)乏尿、尿閉、(0.1〜5%未満)蛋白尿、BUN上昇、クレアチニン上昇。
6).精神神経系:(5%以上又は頻度不明)眠気、眩暈、幻覚、ふらつき、譫妄、知覚異常、インポテンス、末梢神経炎、(0.1〜5%未満)注意力低下・集中力低下・反射運動能力低下等、立ちくらみ、抑欝、頭痛・頭重、脱力、倦怠感、興奮、運動失調、不随意運動(振戦、アステリキシス等)、言語障害、(0.1%未満)錯乱、筋痙攣。
7).眼:(5%以上又は頻度不明)異常眼球運動(眼球回転発作)、水晶体混濁、(0.1〜5%未満)複視、霧視、(0.1%未満)眼調節障害、眼振[定期的に視力検査を行うことが望ましい]。
8).心血管系:(5%以上又は頻度不明)徐脈、不整脈、刺激伝導障害、(0.1〜5%未満)血圧低下、(0.1%未満)血圧上昇。
9).消化器:(5%以上又は頻度不明)膵炎、口内炎、(0.1〜5%未満)食欲不振、悪心・嘔吐、便秘、下痢、口渇[膵炎が現れた場合には、投与を中止する]。
10).内分泌、代謝系:(5%以上又は頻度不明)ビタミンD・カルシウム代謝異常(血清カルシウム低下等)、甲状腺機能検査値異常(T4値低下等)、血清葉酸値低下、女性化乳房、乳汁漏出、プロラクチン上昇。
11).その他:(5%以上又は頻度不明)味覚異常、聴覚異常、脱毛、浮腫、発汗、コレステロール上昇、CK値上昇(CPK値上昇)、(0.1〜5%未満)発熱。
 

その他のファブリー病鎮痛剤
 
ジフェニルヒダントイン(フェニトイン)
http://ww22.tiki.ne.jp/~birdland/fabry/fenitoin.html
 
塩酸ブプレノルフィン(レペタン)
http://ww22.tiki.ne.jp/~birdland/fabry/lepetan.html
 

参考サイト:
医者からもらった薬がわかる
http://www.eminori.com/
 
医薬品情報提供ホームページ
http://www.pharmasys.gr.jp/


※このサイトは患者が個人的に作成したものです。医学情報の扱いには充分ご注意の上、
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