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【ファブリー病とは?】

●「ファブリー病」(Fabry Disease)とは?

 この病気は遺伝子の異常のために、細胞内のライソゾームという小器官の中にある酵素、α-ガラクトシダーゼ(α‐galactosidase:α-GAL)が欠損もしくは低下してしまうことで起こります。この酵素で分解され、排出されるはずの糖脂質がそのまま体内に残ってしまい、広範囲に蓄積することで組織やさまざまな臓器の機能が低下、進行的に障害を受ける病気で、主に[男性]に発病します。[女性]では発病する人と発病しない人がいます。

 ファブリー病には二種類あります。

 一つは「古典的ファブリー病」で、全身の臓器障害を起こします。幼少時より症状が出現し、強い四肢(手足)の痛み、汗をかきにくい、皮疹、角膜の混濁という特徴的な症状が現れます。青年期以降になると腎機能障害が出て、次第に腎不全となり、また、心不全や心肥大、脳血管障害などの症状も出現して来ます。30歳代から40歳代で死亡することの多い病気です。「古典的ファブリー病」はたいへん稀であり、日本での正確な頻度は明らかでありません。

 もう一つは「心ファブリー病」と呼ばれ、主に心臓が障害されます。40歳を過ぎた頃より心臓肥大が認められるよ うになりますが、最初はあまり自覚症状がなく、進行してくると次第に心不全が出現するようになります。 現在のところ根本的な治療方法はなく、対症療法が主です。古典的ファブリー病と比べて、数多く存在すると考えられていますが、これも正確な頻度は明らかになっていません。

●ライソゾーム(lysosome)病

 ファブリー病はα-ガラクトシダーゼの遺伝的欠損によっておこる病気ですが、このα-ガラクトシダーゼはライソゾーム(lysosome:リソソームともいう)で働く加水分解酵素なので、ファブリー病もライソゾーム病の仲間ということになります。
 ライソゾームとは、動植物の細胞の中にある小器官で、そこで酵素が働く工場のような場所です。
 ライソゾーム病は、ライソゾーム性蓄積症(lysosomal storage disease)とも呼ばれます。遺伝子の変異によって、この細胞内のライソゾームという小器官に存在する加水分解酵素が先天的に欠損することにより、本来、組織内で分解され排出されるはずの物質が体内に異常蓄積してしまいます。その結果、代謝の異常が起き、各種の症状が現れる疾患の総称です。各ライソゾーム病は欠損する酵素がそれぞれ違います。酵素の種類によって、当然蓄積する物質も場所も違うため、病気によってさまざまに異なる症状が現れます。ファブリー病の他に、ゴーシェ病、ポンペ病、ムコ多糖症、クラッベ病、 ニーマン・ピック病、ファーバー病、MLD、GM1ガングリオシドーシス、GM2ガングリオシドーシス、などがあります。
 ファブリー病は、1999(平成11)年4月1日から、いわゆる「難病」として厚生省(当時)の「特定疾患治療研究対象疾患」に追加されました。そして2001(平成13)年5月1日には40以上あるライソゾーム病のうち28疾患が「ライソゾーム病」として、同じ「特定疾患」に認定されました。

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